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※小話・ノーヴァのジャックさんと
※四九郎様の小説から少し続いています
プ「でも昔は、本当に血を掛けていましたよ。苦情が来たので止めちゃいましたけど……」
ジャ「苦情で止めんのかよ……。お前本当にデュラハンか? 実はオモチャなんじゃねえの」
プ「そ、それだけは絶対違います! ちゃんと本物ですよ!
今でも別の方法で対処してますし」
ジャ「あン? 別の方法だァ?」
プ「ええ。血はお洗濯で落ちなくて困るという事なので、服を汚さないものを使うことにしました。
……それが、これです」
ジャ「苦情ってそれかよ」
シラっとした目を向けるジャックの前で、プレシェンシアはどこからか自分には少し大きめのクラッカーを取り出す。
プ「今はこれを使ってお知らせしています」
ジャ「何だそりゃ……オモチャじゃねえか。まさか音でビビらせるってなら、今時ガキでも引っ掛からねえな! ギャハハ!」
プ「うぅ~……違いますってば! こういうことです!」
馬鹿にした様に笑われ、少しだけムキになったプレシェンシアは取り出したクラッカーをジャックに向けて、紐を引っ張った。
パン!と音をたてると同時に、中から大量の赤いリボンが飛び出し、ジャックに降り掛かる。
その光景は『バケツに入った血をぶっかける』という画に似てなくもない。
ジャ「あー? 何だこりゃ……ただのリボンかよ?
つーか鬱陶しいし、邪魔だろこれ。服にも引っ掛かるしよォ……」
プ「あ、ごめんなさい……。
でもこれなら服は汚れないし、そのリボンはボクの『血』で出来ているから、一応『血を振りかける』ということになりますよ!」
ジャ「何で若干得意気なんだお前。
つーか、どうせやるなら別のとこに向けてやれよ! 絡まって面倒臭いことになってるし……あー、くそ! 切るか、これ」
プ「あぅ……す、すみません……! ジャックさんに何かが起こる予感がしたので、つい……」
ジャ「何が起こるってーー」
その時、既視感を感じさせるかのように、ジャックの頭上を何かの影が掠めた。
そして……再び、空から落ちてきた何かが彼に付着した。
……今度は、頭に。
プ「……」
ジャ「……」
プ「えっと……」
ジャ「死なす」
リボンを引き剥がし、彼はナイフを手に再び鳥の後を追うのだった。
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