index

5/12
前へ
/35ページ
次へ
【予感】 「その『首』は君のために生まれた。大切にしたまえ。 君が必要としたから、彼は生まれてきた。彼の存在は君が繋いでるのだ、シーア。 君が彼を必要としなくなった時、彼の存在は消える。 もう一度言おう。 『大切にしたまえ』」 ボクに『もう一つの首』を与えた魔女はそう言って、ボク達の元を去った。 大切な『名前』をボクに託して。 「オマエ、ボクに『自由に生きろ』って言ったな? あぁ、じゃあそうさせてもらうよ。ボクは今から好き勝手自由に、自分のしたいように生きてやる。 もうオマエの言うことなんか聞かない。 さぁ、『次はどこに行くんだ?』 ボクはボクのしたいように生きる。だからオマエに着いていくんだよ、プー。 オマエ、弱そうだし、ボクがいないと何にもできないだろ? オマエといる方が面白いからな。ボクはボクのしたいように、オマエに着いていく。 駄目って言っても聞かねえからな! 『自由に生きろ』って言ったからな、これからも好き勝手一緒にやってやるよ」 ボクの『もう一つの首』はそう言って、ボクの隣を歩んでくれる。 ボクの名前を一つだけ、奪って。 「何でもやるお使い屋さん! お使いレベルのことなら買い出しでも配達でも、場合によってはちょっと頑張って戦うことくらいは……。 ……できなかったらごめんだけど、とにかく私に任せておっけー! マリアフェン・エンゼバートに二言はないっ! さっ、プー太郎ちゃん?だっけ? タ〇タニック号に乗ったつもりで依頼していいよ!」 それは沈む船だったと思う。 空からやってきた元気な女の子は、ボクのお願いを聞いてくれた。 「……わかった。 ……シーア。……………手、繋いでほしい。 ………あの時みたいに………」 「んん、わかったわリオ。お姉ちゃんがしっかり繋いであげるからちょっと待っててね、今服を脱ぐわ。今夜は寝かさないwおごぱっ!!!」 魔法使いの姉妹。 元気だといいな(特にお姉ちゃん) 『此処』に辿り着くまで出会ってきた人達。 彼らと邂逅する日が近いことを、今のボクはまだ知らなかった。 Next. .
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加