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「それは、本当の由莉じゃない。前に由莉が言ってただろ?」
「え、なんて?」
「みんなが思う三縞由莉を演じてるって。」
「あぁ、言ったかも。」
「素顔の由莉じゃなければ、嫉妬なんかしないさ。」
「・・・蓮の時は?」
「出会いが出会いだったろ?素の由莉を見られたわけだし。あいつは、別。」
計算の色仕掛けが、辰巳さんには効かなかった。
それと同じことなんだろう。
素の私でないなら、なんてことはない。
でも、なんで神崎君?
「ほら、なんとなく話は聞いてはいたけど、詳しくは知らなかっただろ?」
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