第3話

10/40
前へ
/40ページ
次へ
『男なんてみんな同じ』 私がそう言ったのは、神崎さんにではなく、別の人だったと記憶している。 あれは確か高2の夏。汗で制服が身体にまとわりつき、私の中での不快指数は最高を指していた。 「『雛森』って、アンタ?……ちょっといい?」 下校途中、他校の女子生徒に呼び止められ、家の近くの公園に連れて行かれた。 今にも雨粒を落としてきそうな空。 「あのさ。人の男に手ぇ出すのやめてくれない?」 遠くに雷の音を聞きながら、身に覚えのないことを言われ、『あぁもう、早く帰りたい』って思ったことを思い出す。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2201人が本棚に入れています
本棚に追加