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当然ながら、その状況をすぐに理解できずにいた私は、彼女に胸ぐらを掴まれたまま地面に横たわる。
雨の匂いを運ぶ風が、彼女の長い髪と、私のセーラー服のスカーフをフワリと揺らした。
「同じこと、何度も言いたくないので。お願いします」
突然の出来事に反応できない私達。
優等生の彼にしては珍しく、イラついたような、急かすような言葉を発す。
「……アンタ、なに?」
そんな彼に言葉を返したのは、お願いされても尚、私の上から動こうとしない彼女だった。
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