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「なら、早く済ませて下さい」
ベッド脇の彼に背を向け、 溜め息混じりの言葉で呆れたように言った。
「待ってたんだよ。雛森が起きるの」
――ギシッ
……と、軽く軋む音。
「気持ちよさそうに寝てるからさ、起こしたら悪いと思って」
かけられた体重に沈み、静かに揺れるベッド。
昨夜私に触れた指が目の前に現れ、閉じた唇をなぞる。
「それに」
耳元で聞こえる、笑いを含んだ甘い声。
「寝てる女を一方的に抱くなんてつまらないでしょ?」
聞き捨てならないセリフとは裏腹の、こめかみに落とされた可愛いキス。
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