Ⅳ 抱擁

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   2 「確かに依頼は達成しましたんで」 乙黒はあくびをしながら、 目の前で恐縮する圭子へと手を仰いだ。 ろくに睡眠も取れていない乙黒と霧島の二人は 疲弊しきった様子で豪邸な高崎家を見上げていた。 「はい。有難うございます」 「依頼内容『夢遊病の娘へ事実を伝えること』。 杏子さんには隠して実行する、 これが絶対条件でしたもんね」 霧島は改めて依頼内容を確認するように呟いた。
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