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「杏子自身、足音の正体は柚子であってほしい
そう願っていたのかもしれません。
柚子が自分を恨んでいたのだとしても。
杏子にとってはたった一人の姉ですから」
圭子は切なそうに俯いた。
「杏子は会いたかったのだと思います、柚子に。
そして、きっと……謝りたかったのかもしれません」
「……そう、かもしれないね」
乙黒は悲しげな視線を圭子へと送り、静かにそう告げた。
何故だろうか、その行動が、いつもの乙黒とはかけ離れていたので霧島は不思議に思ったのだった。
そして、
朝の日差しが照らす道へと
乙黒と霧島は歩き出そうとした。
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