変わりゆく日常編 

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学院内の敷地には大きな噴水があり、花畑や草の壁で囲まれているティータイムには打って付けの場所もある。  校内は常に清潔、授業なんかは最新機器を使ってるだけでなく、大きな図書館もあり何より広い。  ここは第4女学院。  超能力者の生徒のみが集められた学校である。 この第4女学院にあるテラスに二人の女子生徒が紅茶を飲んでいた。 「そういえば、沙由莉」  日本に七人しかいないSランク一人、雷光(ライトニング)の久能凛花が言う。 「なに? 凛花」  それに答えるSランクの一人、爆弾師(ボマー)の東堂沙由莉。 「なんで、あの二人に肩入れしてるの?」 「あの二人?」 「はぁ……、天月さんと宮下さん」 「あぁー、あの二人ですか…」  そういうと沙由莉は紅茶を飲み、一息ついてから。 「私の直感が言ってるんですよね、何かある……って」 「あの二人?」 「ううん、宮下さんじゃなく、天月さん」 「ふーん、そう」 「多分、彼は何かあると私は思いました。だからお茶会に呼んだの」 「まぁ、沙由莉が男を呼んだのは初めてだからね。それほど、興味津々って事がわかれば私はいいや」  そして凛花も紅茶を飲み、一息ついた。  沙由莉も紅茶を飲み、空を見上げた。 『天月彰吾、あなたは何かある。そう思います』と思う沙由莉であった。 「とりあえず、退院しても大丈夫だよ」 だるそうにカルテとレントゲンを見ながら言う十月(とおつき)遠加(たちか)。  それを見ている彰吾と俊。  彰吾と俊は電車暴走事故の後、病院に運ばれた。  しかし、運ばれた所はこの海上都市で最大最先端の病院。  国立能科病院、ここでは能力者、一般の患者などを請け負う病院。彰吾と俊はそこの診察室にいる。  そして、目の前にいるのが世界でも有名な医者の十月達加。  彼は医療の世界で神医と呼ばれている存在。  彼のオペは完璧手術。治せない者は無いと呼ばれている位の人物。  脳にダメージを受けてしまうとどうあがいても身体の一部が動かなくなるのは当たり前だ。  しかし、彼は脳にダメージを受け、うまく身体が動かせなくなった人を補助機が付いてだが治した。  日常的に補助機をつけていれば完璧に治されたと言える。  例え補助機が無くとも、前よりはしっかりと動くと言う。
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