変わりゆく日常編 

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 そんな人が彰吾、俊のカルテとレントゲンを見ていた。 「あれ? 聞こえなかった? 退院してもいいよ?」 「軽いですね」 「まぁね、ただ脳を大分酷使しすぎただけだから」  達加に言われ、彰吾は立ち上がり部屋を出ようとすると無言で俊も付いてきた。 「では、ありがとうございました」 「まぁ、気をつけてね~」  彰吾と俊は診察室から出て感謝の言葉を残しその場を去る。 「ふ~ん、天月彰吾に、宮下俊ね~」  カルテと脳のレントゲンを見ながら言う。 「どう考えてもこの脳の発達ぶりは……」  フフフと笑いながら言うと。 「ランクCではないよねぇ~」 診察室を出た彰吾と俊は受付に行き病院を出る。  彰吾は無言で何処かへ向かう、それに着いて来ている俊。 「……」 「……、なあ彰吾」 「なんだ?」 「どこ向かってんだ?」 「腹が減ったから、牛丼でも」 「なるほどな、俺も腹減ってるしここら辺の近くに牛丼屋あるから案内するわ」  俊は彰吾を先導する為に前に行く。  彰吾の前に行くと、彰吾は自分の携帯を見ていた。  何を見ているのか俊には分からなかったが、あまり気にする事は無かった。 「なぁ……、えと……」 「なんだ?」 「えとだな……」  そう言いながら彰吾は携帯を見ながら俊に言う。 「何でも無いわ俊」 「ん? まぁいいが。お、あそこあそこ」  俊が案内してくれた牛丼屋に着いた。牛丼屋に入り食券を買い、店員に渡す。 「つゆだくで」 「俺も」  彰吾と俊は店員に言う、店員は「かしこまりました」と言って裏のキッチンに向かう。  数分すると注文した牛丼を店員が持ってきた。  店員は「お待たせしました」と言いながら牛丼を彰吾と俊のいるテーブルに置いた。  そして店員はまたキッチンへ戻る。  彰吾と俊の二人は牛丼が来ると、箸を出し、それぞれ好みのトッピングをする。 「とりあえず、七味にカルビソース」 「まぁ、紅しょうがに軽く七味」  彰吾はテーブルに置いてある七味とカルビソースを掛け、俊は牛丼の肉が見えないくらいに紅しょうがが一面に広がっている。 「それ食うの……?」 「これがうまいんだよ」 「毎回驚くからそれ禁止な」 「はぁ~!? 何でだよ!お前のカルビは……カルビは……」 「フッ……なんだよ?」  俊は何も言えなかった。カルビソースをかけるのは別に不味くはない、むしろおいしいといえるからだ。
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