第1章

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つまり、なにが言いたいのかというと、入学から1ヶ月たった今も、そして多分これからも俺は絶賛ぼっちなのであった・・・。 だからこそ、このGW開けの昼休みという周りがまだ微妙に浮ついている状況において、世界平和だのなんだのということに、思いを馳せる時間と暇を持て余しているわけで、そもそも特に誰かとぺちゃくちゃ雑談をするわけでもない昼食など、大した時間もかからないのである。そうやって弁当を食べ終えた俺は、どこへ行くでもなく誰と話すでもなく、こうして一人自分の席に座り世界平和に思いを馳せていたというわけだ。まあ、世界平和について考えていた理由はそれだけではないのだが、俺には全くもって関係のない話なので割愛する。それから余談だが、俺の席は窓際最後尾の主人公席・・・。ではなく、その二つ手前の席だったりする。席だけ見ればなかなかのベストポジションである。確かに窓際最後尾の席はとても魅力的だが、この席はこの席で、そこまで目立つということもなく、クラスの中心的人物のほとんどが教室中央部より廊下側に集まっていることから、休み時間もそれなりに静かに過ごせるため、そこそこ、気に入っている。まあ、多少静かすぎる気がしなくもないがな。休み時間とか独り言以外でほとんど言葉を喋らないし・・・。 そして、そんな俺の一日はおそろしいほどに何もなく終わっていく。朝は別に食パン咥えた女の子とばったりなんてことは起きないし、その女の子が転校生でびっくりなんてこともない。休み時間の度に俺のもとに足繁く通ってきてくれる幼馴染もいない。そして、帰宅部に所属している俺は、今日も周りがわいわいと部活動に向かって行くのを尻目に誰と一緒に帰るでもなく、自転車にまたがり片道1時間の道のりを帰っていくのであった・・・。 「おい、小路谷・・・」 今名前を呼ばれた気がしたが、きっと気のせいだろう。なにせ授業中先生が気まぐれで当てる以外で、俺の名前がこの学校で呼ばれることなどありえないからな。
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