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「おい、起きろ…」
あー…なんか言われてるー?
でもまだ眠いし…知らない声だし―、寝よ。
「チッ…起きねぇなら殺す」
そう言われた瞬間ひんやりとしたものが首筋に…ナイフ!?
「わ―!!俺まだ死にたくない!起きてますからぁぁぁぁぁ」
ガバッと起き上がって首筋を見ると…
「定、規…?」
俺の首筋に当てられたのは【Kill】と書かれた定規だった。
「おー、その定規もかっけ~イカしてるぅ!」
そう言ってその持ち主の方に視線をやると…
「その恰好もイカしてんなぁ、おいw」
〇III機関みたいなコートってカッコイイよな~。
普通に着てたらもろ不審者だけどさww
「おい、お前はブラッド文具を持ってるな?」
不意にその男が話しかけてきた、が…ブラッド文具?何それこあいww
「いや、なんですか?そんなの聞いたことないっすよ」
そう言ってから気が付いたが、この定規と似たようなものを俺はさっき拾ったよな…もしかしてそれの事か?
「しらばっくれるな…お前がブラッド文具、『死の消しゴム』を持ってるのはわかってるんだ」
死の消しゴム…やっぱあれの事か。
「それって【DIE】って書かれた消しゴムか?」
一応念のために確認を取っておく。
「あぁそうだ、やはり持ってるんだな…」
男の言葉にコクリと頷く。
「あれは機関で研究されているブラッド文具と言われるものだ…あれは一度持ち主が決まると持ち主が死ぬまで他のものが持てない様になっている」
ほぉ、つまり俺が死ぬまでは俺しか使えないって事だな…
何それ超イカしてる!!
「ブラッド文具にはある能力が秘められている…俺の定規は鋭い刃物と同じ、いやそれ以上の鋭さを持っている」
それって超かっこいいけど定規にする意味あったのか?
「定規にする事で大抵の奴は油断する、殺傷能力があるとは考えないだろ」
俺の考えを呼んだかのように説明する男。
「問題はお前の持つ消しゴムの能力だ…その消しゴムは対象者の名前を書き、消すだけで対象者を消すことができる」
「嘘、だろ?そんなことできるはずがない…」
唖然とする俺をよそに男は話しを続ける。
「本当の事だ、さて…ここからが本題だ」
男の様子に極理、と固唾をのむ。
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