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その日俺は、不思議な木に出会った。
俺は高校には行かずにブラブラとしていたが…
「あー!!学校サボったはいいけどすることがない!」
そう、する事が無いのだ。
「なにすっかな…」
取り敢えず公園に来たは良いものの…こんな時間だからか誰もいない。
「あ!そこの君…君だよ、そこでキョロキョロしてる君!!」
誰もいない筈なのにどこからともなく声が聞こえてきた。
少し低い青年の様な声。
でもその声の主はいない。
「上だよ、木の上!」
不思議に思い木を見上げる。
「なんだあれ、スピー…カー?」
木を見上げるとスピーカーが木に埋め込まれてた。
「何でスピーカーが…誰かの悪戯?」
「まぁまぁ!それは置いといて、ねぇ…ちょっと俺と話さない?」
スピーカーから声が流れてるが無視してコードを探す。
「あっれ~?」
どうやらコードは木の成長で埋まってしまったらしい。
「ちょっとちょっと、無視ですか~?」
文句を言う声が聞こえてきた。
「なぁ…お前は何だ?」
「俺は俺だよ~」
疑問を口にするもおちゃらけた声で返されてしまった。
「そ・れ・よ・り・も!俺と話そうよー」
「気になってたんだけど…何でそんな俺と話したい訳」
さっきから俺と話そうって
「いやぁ最初はいろんな人に話しかけたんだけどさ…『祟りだ』とか『悪戯に構ってる暇は無い』やら言って離れちゃうんだよ!」
まぁそうだろうな…
「で、君は俺と話してくれるのかな?かな?」
あ、これ危ないw
「暇な時くらいなら来てやるよ」
しょうがないからだからな!と言えば笑う声が聞こえきた。
「俺は何十年も生きてるからな!暇つぶしになる位の話ならあるぜ!」
それから俺は毎日学校帰りにその木の元へ行った。
「マジかよ!笑える!!」
「でしょ~?だから俺言っちゃった…『お前らの血は何色だ!!』って!」
「あはは!!」
まぁこんな風に俺は木と話してたんだ。
そしたら俺やっちまったんだ…
「あははっは…」
目が合ったのは一人の少女。
少女は俺を蔑んだ目で見、去った。
俺は見られてしまったのだ…
木と話している姿を!!
「orz…」
「どうしたんだ?」
木が不思議そうに尋ねてくる。
「いや!何でもないんだ…そう、何でもない」
そう言い俺はその場を去った。
「えぇ…ちょ、きみぃ!?」
はぁ…鬱だ。
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