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何…あれ?
何やら楽しげな笑い声が聞こえてそちらに視線を向けると私と同じ位の男の人が
木に向かって話しかけていた。
羨ましいと思って見てみればただの頭のおかしい人だったのね。
「はぁ…」
私はその男を一貫してからその場を去る。
ここで私の家の話をしようと思う。
私の家は少々特殊だ。
私のお母さんは私が3歳の時にお父さんと私を捨てて他の男と出て行った。
それからはお父さんが男手ひとつで育ててくれた。
でもそのお父さんも3年前に死んだ。
それから私は親戚を盥回しにされて去年、母の弟…叔父に引き取られた。
その前も辛かった。
どこに行っても私はいらない子。
八つ当たりともいえる暴力も沢山受けてきた。
でもそんなの今に比べたらまだ幸せだった。
今一緒に暮らしている叔父はアルコール依存症でお酒が切れるとすぐに暴力をふるう。
しかもギャンブルが大好きでしょっちゅう借金を作ってはお父さんの遺産で借金を返していた。
何度も何度も何度も私は死のうと思った。
でも死ねなかった。
だって私は臆病だから…
生きるのが嫌なくせに、死にたいくせに死ぬ勇気がないんだっ
そう思ってた…今日までは。
だって言っちゃ悪いけど私よりも可哀想な人をさっき見たばっかだしさ。
あれから私は下校する際にその公園に行って男の人が木に向かって話しているのを遠くから見るのが習慣になった。
最低な理由だけど自分よりも可哀想な人を見ていると安心するのだ。
でもそんな時、何日も男の人が来なくなってしまった。
「何で…ねぇ、あなたは何か知ってる?」
はぁ…木に向かって話しかけるなんて馬鹿みたい。
「あ~あいつならインフルエンザで寝込んでんだよ…」
…え?
「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
木が、木が喋…
「私もおかしくなったんだ、きっとそうだっもう!もう嫌…死ねば楽になれるのかなぁ?うんそうだ!!きっとそうだ………もう死のう」
まずは死に場所を探しに行かないと…
「海…いや、最後は派手に死にたいっならどこ?やっぱり学校かな」
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