お喋りな木

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「成程、な…それで自殺を考えたって訳か」 話の途中から女の子はボロボロと泣き始めてしまった。 「ごめ、ね…こんな話してっ迷惑だったよね」 随分と溜まってたんだなぁ… 「いや、迷惑なんかじゃねぇよ…」 「ありがとね…」 女の子は少し軽くなった顔で笑った。 「さて、木も心配してるだろうしいったん公園に行こう」 そう何気なく言うと、何とも言えないような顔でこちらを見てくる女の子。 「あのさ、あの木って…本当に喋ってるの?」 あぁ、なるほどね… 「あの木ってさ、上の方にスピーカーがあるんだよね…だからそこから誰かが喋ってんだと思う」 まぁ俺的には人だろうが木だろうが面白けりゃいいんだけどな。 「そうだったんだ、なーんだ…」 女の子は少し残念そうに、でもほっとしたように笑った。 「そういえばさ、君って名前は?」 さっきっから気になってたんだよね。 「あ、ごめん!私は野ノ宮 美月(ののみや みずき)!!今さらだけどよろしくね」 野ノ宮、な… 「俺は新城 梓(しんじょう あずさ)、こっちこそよろしくな」 同じ学校だし多分これからも会う事になるだろうからな。 「ねぇ、何で梓君はここに私がいるってわかったの?」 「あぁ、木が学校にいるって教えてくれてな…制服がうちのだったからすぐわかったよ」 そういえば驚いた顔になる野ノ宮。 あれ?俺木と話してた時も制服だったよな? 「ぜんっぜん気が付かなかった!!え、何年何組?」 「2年B組だけど、野ノ宮は?」 多分同じ学年だと思うんだが… 「えぇ!!私2年D組だよ!?」 「マジか、めっちゃ近かったんだな…なんで気が付かなかったんだろw」
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