始まり。

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「……りーんっ」 え? ゆっくりと声のしたほうに顔を向けると、後ろの出入り口に、黒木君が居た。 「嘘………」 そういえば、屋上で彼は、 『____迎えに行くから』 と言っていた。 まさか、本当に来る? 「…凛。帰ろ?」 彼は、さも当然のようににこっと笑い、両手を広げてみせた。 この腕に飛び込めと? ようやくして、周りからどよめきが聞こえた。女子たちは『梓様っ?!』とか、『きゃあぁっ!』とか、金切り声というか、悲鳴に近い声をあげている。
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