始まり。

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下駄箱までたどり着くことができて、やっとあの場所から逃げ出すことが出来た事に一段落。 「あの……」 「…ん、何?」 「手、離して下さい……っ」 「……………なんで?」 彼は、首を傾げて、私をじっと見る。 「なんでって、私たち…付き合ってないし、それに!なんで名前知ってるんですか?クラスも教えた覚えないのに」 「……何言ってんの?君と僕は付き合ってるじゃない」 「それは!勝手にそっちが決めたことじゃないですか!」 「相変わらず君、会ったときからうるさいね。その唇、塞いじゃうよ?」 にっと笑う顔がやけに怖くて、思わず息をのんだ。 「…そそ。良い子だね」 にこっと笑い、私の頭を撫でるように、髪をすいた。
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