始まり。

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「よし、誰もいない」 私は、片手にお弁当を持ちながら屋上を見渡す。 見事に誰もいない空間で、風の音 だけがあえかに響いていた。 早速、座り込んで私はお弁当 を広げた。 そして、「いただきます」、と呟いてから箸で食べ物をゆっくりと口に運ぶ。 誰にも邪魔されない空間。 息苦しい学校では吸えないこの 新鮮な空気。 ここは、私だけの時間が得られる、 特別な場所。 息を吸い込んでみる。 冷たい冷気が喉を通過する。なんとも言えず、心地よかった。
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