始まり。

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「いやっ、でも…」 「じゃあ、決まりね」 まだなにも返事をしてないのにも 関わらず、彼は強引に決定へと 踏み切った。 「えっ?!」 「…まだなにか言うつもり?」 「…わ、私………」 ______付き合えません。 と言おうとしたとき、運悪く昼 終わりのチャイムが鳴る。 「…んじゃ、宜しくね。帰り迎えに行くから教室で待ってて」 彼は、つかんでいた凛の手を離し、 その勢いで優しく凛の頭を撫でた。 「…へ?」 「…ああそうだ、名前は」 まだいまいち状況が掴めなくて、 ぼうっと座り込む凛に顔を近づけて、 彼は 「_____黒木梓。」 と言った。
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