無題の手記

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無題の手記

随分と使い込まれたその手帳は、少しだけ黴の臭いがした。 開いてみると、かつては純白だった紙は黄ばみ、砂漠のようであった。 紙が砂漠なら、歩く文字たちは【キャラバン】のそれだなーーカウスはそんなことを思いながら、彼の、ハマルの手記を読み始めた。
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