第1章

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スープ鍋はコトコト優しいおとをかなでます。 湯気がたちのぼり小窓を少しだけあけました。 白いお皿にゆっくりスープを注ぎクルトンとパセリを散らしたら完成です。 「お待たせしました」 青年は少しずつスープを食べ始めました。 私はキッチンへ行くとユタに朝ごはんをあげて洗いものをしていると 青年が泣いているのに気がつき すかさずティッシュを置きました。 朝日が登り始めた頃、青年の前にはティッシュの山ができています。 私はルイボスティを置きました。 すると青年が 「会社で働いてて、なんだか疲れはてて…気がついたら森に来ていました。」 青年はその後お店を後にしました。 口にはしませんでしたが、青年は森へ死にに来たのです。 この森は自殺者が多くて入口に看板が立ててあります。 公衆電話もあります。 一人でも自殺をふみとどまって欲しくて始めたお店です。 だから森のなかにあるんです。
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