prologue

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   じゃあ、彼の一目惚れなの?  いくら一目見て気になったからって、二年近く付き合った彼女を簡単に捨てられるものかな。  そんな彼じゃ無いのは、私が一番分かってる。  だから、どうしても納得が出来なかった。 「その人って、誰? 私の知ってる人? その人って、私より可愛いの?」  そんな事をすれば、余計に気持ちが離れるのは分かってる。  分かってるのに口走ってた。  今までの私なら、そんな事なんか絶対にしない。そうする事が、恥ずかしいとさえ思ってた。  でも、言っちゃった。  言っちゃっておいて、それだけ彼氏への気持ちが強かったんだって、変に納得してる自分がいた。  でも、彼はこう切り返す。 「もう、お前には関係無いだろ」  彼に、「お前」だなんて呼ばれた事も無ければ、「関係無い」と言われた事にショックを受けた。  そのせいで、去り行く彼を追えなかった。
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