第五章:恋愛遊戯の傍観者・前

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 和哉は、一年の時のクラスメイトだった。  彼は、特別目立つような存在ではなかった。 クラス内に親しい友人がいないせいなのか、もともと他人と行動を共にするのが苦手なのか ───今は、後者だと瑤子は知るのだが─── 体育祭や文化祭などで、他生徒とばか騒ぎをするようなタイプではなかった。  無口でクールで無愛想…というのが、クラスの女性徒間での彼の評価だった。 そのわりに受けが良かったのは、涼しげな目もとに代表される いわゆる女の子好みのルックスをしていたためだろうと思われる。
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