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そっと唇をかみしめる。
いったい、何人の人間が、瑤子の淫らな行為を知っているのだろうか……?
(ひょっとして、私が気づかないだけで、みんな知っているのかも……)
直接いわれないだけで、周囲の者は陰で自分のことを
好奇の目で見ているのかもしれないと、瑤子は思った。
……馬鹿げた妄想だ。
「それについて、あなたに見せたい物があるんだ。
興味があったら、今日の放課後、写真部までおいでよ。
じゃ、またね!」
言うだけ言って、葵は生徒の群れに混じって、教室へと戻って行く。
瑤子は黙ったまま、その背中をにらみつけていた。
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