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『送ってあげるよ』って・・・優しい~っ
メールの内容に思わず魅羽の顔は自然にニヤけてしまう。
「・・・なーに言ってんだか」
「あ、マナ」
魅羽の背後から携帯を盗み見していたマナが呆れたような表情で魅羽の隣の席に座ると、ジャケットの右ポケットから取り出した自分の携帯で10秒もかからない速さで素早く入力した。
”残念でした~っ!今日はアタシん家で朝まで女子トークするからさっさと帰っていいわよ、サイファ”
”わかった、明日まで我慢するwあまり酔わせるなよ?”
「フフッ、サイファに迎えは要らないって言っといた!」
マナが得意気に携帯を魅羽の顔の前にぐいっと出してLINEの会話を見せる。
「マナってば・・・w」
「今日も魅羽に会いたいんでしょーけど毎週魅羽を独占してるんだから今日くらいは遠慮してもらわなきゃね?」
「独占って・・・」
『独占』されてる・・・のかな?私。
そう考えるだけで魅羽は頬をぽうっと赤らめた。
毎日メールや電話で話して週末に会って・・・でもそれでも足りないって感じているのは私が欲張りなんだろうか・・・?
大野さんは優しくていつも落ち着いてて、遊びに行く時も色々考えてくれてる。
幸せすぎてこれが本当に起こっている現実なのかと時々疑ってしまいそうになるくらい、目の前の大野さんはやることなす事スマート過ぎて・・・
今更ながら恋愛経験値の差が有りすぎるんだと感じてしまうんだけど。
時々見つめられているような気がして振り返ると大野さんが優しく微笑んでいて、「いつから見てたんだろう?」って思うと恥ずかしいのと同時に嬉しさで胸がキュウッと鳴る。
こんなに毎回キュンキュンしてたら胸が苦しすぎ・・・休まるヒマないよ?
「ねー魅羽。サイファっていつから魅羽がティアって解ったんだと思う?」
「えっ?・・・そ、そういえば聴いたことない」
マナの急に思いついたような質問に魅羽は思わず目の前のクッションをギュッと抱きしめた。
「はあ?なんで聴かないのよ?『ねえ、いつから私の事ティアって気づいたの?』ってさー・・・2人で毎週何話してるのよ?」
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