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「何って・・・『レアアイテムゲットしたいなー』とか次に行くパンケーキ屋さんの話とか・・・」
「え~?『私のどこが好きなの?』とか2人っきりの時じゃないと聴けない話すればいいのに・・・
はーアンタ達って・・・ゲームの時と会話変わんないじゃん」
マナは呆れたようにベッドに勢いよく倒れた。
すでに2人はマナの家にいる。
あれからすぐに小料理屋であっさりとした食事をして、コンビニで酒やお菓子を買い込んだ後マナの家に向かったのだ。
入浴も済ませてパジャマ姿の2人は話しながらもそれぞれ美肌を維持するためにローションやら美容液やらを肌になじませている。
26歳。1日でも気を緩めると取り返しがつかなくなる・・・
仕事をしていれば尚更、肌の調子は1日の始まりである朝の気分も左右するから女子には重要だ。
以前はそれ程気にしていなかった魅羽だが、慧とつき合いはじめてからは自然に肌や食事にも気をつけるようになっていた。
まあでも甘いカフェオレとスイーツだけはやめられないのだが・・・
「だってそんな事聴けないよ」
そんな甘えた質問したら私、『面倒な女』って思われるかもしれないし。
「『カレカノ』なんだから色々聴けばいいじゃない。サイファって自分の事あんまり言わないから謎でしょ?両親とか兄弟とかさ~いるの?」
「・・・全く知らないです」
マンションに1人暮らしだから離れて暮らしているとは思ってたけど・・・東京が地元なのかどうかも知らないな、私。
「魅羽」
マナが魅羽の顔にぐいっと覗き込むように近づき、睨むようにじいっと見られて魅羽は一瞬ビクンっと身体を硬直させた。
プシュッ
魅羽の目の前で缶を勢いよく開けたマナはそれを魅羽に『ほら』と渡してきた。
魅羽の好きなカクテル、ピーチオレンジ味だ。
マナは続けて発泡酒の缶を開けると勢いよくぐびっと喉を鳴らしながら飲んだ。
「魅羽・・・サイファに遠慮はなしよ!?思った事は全部言っちまいな!
・・・じゃないと分かり合えないよ?所詮他人なんだから」
マナの脅すような口調に魅羽は「う・・・」と言葉を詰まらせる。
「わかった!言う・・・次は絶対言う!」
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