第13章 混沌

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   アイツ、今彼女はいないって言ってたけど、気になる女を口説き中らしいってファッション誌担当の女子が残念そうにぼやいてたしな・・・  まさか口説いてる女が本当に《ティア》ってことない・・・よな?  リアルに不自由してなさそうなのにまさかそんな事あるワケない・・・よな?  咲は突然湧いて出た疑問に何度も自分の心の中で否定する。  本気で《ティア》を口説いているとしたら・・・俺はどっちの味方すればいいんだ?  そう考える咲の表情からは一瞬苦悶の色が見えたが、すぐに答えが出たのか元に戻る。  リアルを知っている翔と長年フレの《サイファ》  ・・・たとえ素性も確かじゃないヤツだとしてもゲームをしていれば解る。  普段はふざけた事も言っているが、《サイファ》って結局真面目だし、あれほど方向音痴の《ティア》を気にしているヤツは他にいないだろ?  だから最近知り合ったばかりの翔じゃなく《サイファ》おまえを陰ながら応援しよう・・・  翔には悪いけど、折角2人がつき合いだして楽しそうな所を邪魔したくないし俺は個人的に1人ずつからかって遊びたいw  強く言えば何故かと問われるだろうし、ここはやんわりとホントの事教えて諦めさせるか・・・  今ならまだ失恋の傷は浅いだろう。  翔・・・リアルな周りの女子に癒してもらえ?  《緋龍》、《ティア》には《サイファ》がいるんだから諦めな?  ウーン・・・どっちで言うか・・・な。
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