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第14章 距離感
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1
ピンポーン
「う・・・ん・・・」
ピンポーンピンポーン
土曜日の午前11時 ― 慧のマンションのドアチャイムの音がいつにも増して頭に鳴り響く。
「う・・・るさい・・・」
はー・・・なんだよ?
昨夜飲んだアルコールがまだ抜けきっていないのか慧は上半身をゆっくり起こすと目を擦りながら玄関へ向かう。
ピンポーン
ってか鳴らしすぎじゃね?今何時だ?土曜日の朝に来るなんて非常識な勧誘だな?
いつまでも鳴らされても近所迷惑だし適当に追い返すか・・・
「ハイ何の用~?・・・ってオマエか」
「オソヨウ~その様子じゃ3ON3は無理だなw」
ドアを開けた先に見えたのは呑気な霖の顔だった。
「うん無理」
霖だと解った途端、慧の表情は余所行きの顔から普段の顔へ戻ると眠そうに欠伸をしながらリビングのソファに寝転んだ。
霖は慧の後を追うようにリビングへ入るとまっすぐキッチンへ向かい、冷蔵庫を開けてコップに麦茶を注ぐ。
「・・・ふわあぁ・・・眠い・・・」
強い睡魔に襲われて慧は目を閉じて再び寝ようとしていた。
「珍しいな、今日は1人か?」
「・・・知ってて来たんだろオマエ?1人じゃなかったらとんだ邪魔者だな」
ワザとらしい霖の質問に、まだ眠い俺は片目を開けて言うと目の前のテーブルにコップが置かれたのが見えた。
ノドの渇きを覚えた俺はそのコップが自分に用意されたものだとすぐ気付いて身体を起こすと一気に冷えた麦茶を飲み干した。
ノドが潤うのと同時に冷たい麦茶で少し目が覚めた俺はソファにもたれかかるように座った。
「ウン知ってる。愛海ちゃんとこだろ?
たぶんオマエの事だから今日会う約束してるんだろうけど、早くて夕方とかだろ~?
それまでヒマだから俺が相手してやろうと思ってさ」
「勝手にヒマとか言うな・・・ってか野郎の相手するくらいなら寝る」
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