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魅羽を見ていると、もっと見ていたくて困らせたくて・・・
つい時間を忘れるくらい魅羽を眺めてしまう。
あまりにも長時間俺に見られるからか魅羽の頬はどんどん紅潮して、どうすればいいのか解らないのか視線は落ち着かなくなる。
その様子があまりにも可愛いからもっと眺めていたいと感じた俺は、魅羽の身体を引き寄せてついつい長い間見つめてしまう。
するとあの可愛い瞳が遠慮がちに俺を睨むんだ。
あ~その表情・・・可愛いすぎだし?
睨まれても可愛いから魅羽がこの状態に耐えられずに何か言うまで、俺はもっと眺め続けてやろうって思っていたのに・・・いいところで霖が帰ってきた。
「・・・っていうか~いつになったらキスするんだ?」
「・・・霖」
「えっ!?・・・お、お兄ちゃんっ!?」
音も無くいつの間にかリビングのドアが開かれていて、そこには霖が立っていた。
魅羽は突然後方から聴こえた霖の声に驚きを隠せず、あたふたと手足を動かしている。
一体いつから居たんだ?
慧は内心チッと舌打ちした。
・・・悪趣味な霖の事だからしばらく眺めていたに違いない。
いつから見られていたんだか・・・
あ~あ・・・もうちょっと魅羽を焦らして遊びたかったのに。
「楽しそうだな~慧」
「は~・・・せっかく楽しんでるところを邪魔しないでくれる?」
ニヤニヤとした目付きで霖に見られてしょうがなく慧は魅羽からそっと腕を離した。
魅羽は霖の顔をまともに見れずに慌てて慧の分のコーヒーを淹れはじめた。
邪魔者の登場で不機嫌そうに慧はその腕をそのまま胸の前で組んで霖をジロッと睨む。
「あからさまに嫌な顔してるなあ?」
「そりゃそうだろ・・・今日は霖じゃなくて魅羽に会いに来ただけだし?」
「何だ?俺ん家で話したい事があるって言ってたのは魅羽に会うための口実か~?」
「それ以外に何かある?」
「もうっ二人共・・・そのくらいにしてよっ!お兄ちゃんしつこすぎ!」
しれっと真顔で答える慧の袖を掴んで、魅羽は頬をピンクに染めながら二人を諌めた。
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