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自分の事を話題にされて恥ずかしさのあまり堪らず二人の会話を止めに入ったのだ。
こ、これ以上言われたらどうしたらいいのかわかんないよ~っ!
『あー言っとくけどここ俺ん家だから泊まるの無しね?』
霖にクギを刺された後、2人は魅羽の部屋に居た。
大野さんが私の部屋に来るなんてっ!
どうしよう~っ?掃除しておけばよかった~っ!!
ああ~!あそこヌイグルミたくさん並んでるし!・・・子供っぽいって思われるっ!
慧の後ろの棚に並べてあるテディベア達が目に入り、魅羽の頭の中は混乱しはじめた。
実は自室に男性を入れるという事は魅羽にとっては生まれて初めての経験で・・・表情には出さないが内心バクバクと心臓は踊っている。
あ・・・れ?表情は変わらないけど心なしかいつもより堅い感じだな?
魅羽のわずかな違いを感じつつも慧はいつものように余裕たっぷりでコーヒーの薫りを楽しんでから一口飲む。
・・・サイファってやっぱり私の想像していた通り・・・
私がこんなに色々考えて頭の中パニックになっているのにいつも落ち着いてるし・・年下って事忘れるよ?
・・・っていうか大野さんいつ家に来たんだろ?全然気付かなかったんだけど?
あっ!?
もしかしてお風呂入ってた時かな?・・・それなら気付かないわ。
魅羽は小さな白いテーブル越しに座って美味しそうにコーヒーを飲む慧を見ながら、ふと自分も喉が渇いていたのを思い出しカフェオレを飲んだ。
あ~美味しいっ。ほっとするなあ・・・
魅羽の口元から「ふうっ」と満足そうな声が漏れると、慧はクスッと笑った。
あ・・・笑われてるっ
「家には前からちょくちょく来てたけど・・・この部屋初めて入った」
「あ、うん・・・初めてだね?狭くてごめんね?座りにくいでしょ?」
「大丈夫・・・手を伸ばしたら届く距離っていいね」
そう言った慧の瞳の奥が妖しくキラリとしたような気がして、魅羽はどきりとする。
大野さんの瞳に捕らわれていると、なんだかそわそわして・・・落ち着かない。
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