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彼らの日常
ある学校の下駄箱で
「よーし、帰るべ」と言ったのは斎原 剣だった。
大松澤 未智琉は呆れていた。
「なんで帰るだけでテンションあがってんだよ」と呆れ顔で言い放った。
大松澤 未智琉♂(おおまつざわ みちる)彼は剣の中学生からの友達で、家も近いことからかなり親しい。剣の相談にもよく乗ってくれる、話の分かる奴だ。そして頭も良く、学年で毎回トップ5には食い込んでくる。
それにたいして剣は
「だって、超めんどくさい学校から帰れるんだぜ?そりゃ嬉しいに決まってるだろ!」と小学生みたいにはしゃいでいた。
未智琉は相変わらずの呆れ顔で へいへい と受け流した。
ある程度歩いた所で未智琉が
「なあ、剣」と呟いた。
「あぁ?何だよ」と若干ヤクザっぽい返事の仕方になった。
「お前、知ってるか?神隠し事件って」
未智琉は真顔になって話した。
「さあな。何でいきなりそんなこと聞くんだ?」と剣は顔を傾げた。
「俺の父さんがその事件を新聞に書く担当になったんだとさ」と淡々と告げた。
「そうなん?でも知らんぜ、そんな事件」
また顔を傾げた。
「そうか。でさ、その事件の場所がここから電車で色々乗り継いで2時間で着くんだって。だから夏休みに行ってみない?」と興味深々な顔で聞いてきた。
剣はもちろんOKな感じで頷いた。
「で、そこって安全なの?」
未智琉「んまあ、写真で見た感じは特になんもなかったから大丈夫じゃない?」とやや誤魔化した感じで言った。
剣は特に考えもせずにOKサインを出した。
剣は決心がついた顔で
「じゃあ、明日学校でさ、あいつらにも話そーぜ」と未智琉に問いかけた。
未智琉も当然のように同意した。
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