エピローグ

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『てめえらに世界が潰される、その前にてめえらを叩きつぶす……、確かに俺様はその意志を持って、戦いに臨んできた。だが今、それよりも必要なことができた』 「……」 口調は至極真剣で、嘘をついているようには思えない。アステヌは、静かにスルトの動向を見守った。 『それを果たすために、俺様はここにいる』 灰色の空気に吸い取られているかのように、声の響きは平坦だった。 アステヌは、ようやく開口する。 「……して、天界の長たるわしに、お前は何を望む」 噛みしめるように、間違いのないように、彼は発した。 それを受けて、スルトは一瞬上を向くと、息をついてから言い放つ。 『……俺様は』 今度こそスルトは槍の構えを解き、柄を芝に突き立てた。 『お前らにこの身を預け――』 眼窩鋭いまま、望みというには、宣言にほど近く、
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