ⅩⅠ

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「司……何してるの?」 司は碧の足もとに膝をつき 震える手で携帯電話を握りしめていた。 「きゅ、救急車……」 僕は司に近づくと その手から携帯を奪い取った。 「もう死んでるよ」 普段はどこまでもクールな司が――。 空っぽの痛々しい姿を僕に晒していることも忘れ だらしなく頭を垂れている。
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