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「やっぱり受け取ってもらえなかったぁ~……」
そう嘆きながら綺麗にラッピングされたチョコの包み紙を乱暴に開けていく。
「そりゃ、リスク背負ってまで
お前と付き合いたいって言う物好きはいねーだろ。」
下から突き放すように言われ、
思わずムカッとしてわたしは体重をわざとかけてやる。
「…つーか、重い。
チョコ受け取って貰えなかったぐらいで、
わざわざ俺に報告に来んな。」
寝転がりながら漫画を読んでいたリョーマは
その背中に乗るわたしをブンッと身体を揺すってベッドに落とした。
「キャッ」
リョーマの横にコロンと転がったわたしの方を横目でチラリと一瞥し、
また漫画に視線を戻すリョーマ。
― 笹倉 涼馬 ― ササクラ リョウマ ―
は、わたしの幼馴染みだ。
何を隠そう、わたしの『好きな人』だ。
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