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チョコを渡しに行ったという、大学の教授は確かにカッコいいけど、既婚だし、
そういう『好き』じゃない。
所謂『憧れ』というやつだ。
もちろんわたしはそれを自覚している。
わかっていながら教授には
「本命です!受け取ってください!」
と言って『わざと』断られたのだ。
リョーマに泣きつくために。
こんな回りくどいことをするわたしを、
人はバカだと笑うだろう。
だけど『幼馴染み』という壁は意外に分厚く、
簡単には壊れない。
リョーマはわたしのことを『幼馴染み』として見ているだけで、『女』としては見ていない。
部屋に二人きりでも
私たちが今いる場所が、ベッドの上でも。
何も起こらない。
……何も。
それが、どれほどツラいことか。
そんな関係に決着を着けたい。
決戦の日は2月14日。
バレンタインデー。
今日は、好きな相手にチョコレートと想いを届ける日。
少しの演技に乗っかって、
今日こそリョーマに想いを伝える!!
よし!やってやる!
そう改めて気合いを入れ直した時。
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