38人が本棚に入れています
本棚に追加
喉の奥がヒリヒリする。
情けなくて息苦しくてそして……
「…ううっ……苦い……。」
リョーマの為になるべく甘くならないように、カカオ80%のチョコを使ったトリュフ。
涙声のわたしに気づいたのか、リョーマは漫画を置いて振り返った。
そしてベッドの上でわたしと向き合うよう座り直した。
「………何、泣いてんの。」
呆れたようなリョーマの声。
「泣いてない、バカ。」
わたしは二つ目のトリュフを口へ放り込む。
やけくそのようにモグモグと忙しく口を動かすわたしを見つめ、リョーマは大きく息を吐いた。
そして、わたしの腕をぐいっと引っ張る。
ポスっと、わたしの身体はリョーマの胸におさまった。
あ…れ……?
顔を上げるとリョーマの顔がすぐそこに。
しばらく見つめあってようやく口から出た言葉。
「………リョーマって二重だったんだね。」
「色気ねーな。知紗は。」
リョーマはフッと笑ってそう言った。
最初のコメントを投稿しよう!