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「悪かったわね!」
そう言って振り上げた右手はパシッと捕まれた。
そのまま、後ろに倒されて
背中に感じたのはフカフカのベッド。
昔から知ってるリョーマの匂い。
そして、唇に当たる暖かいもの。
それは紛れもなくリョーマの唇で。
にゅるりと何かが歯をこじ開けて入ってきて、
わたしの口の中のチョコをさらっていく。
自分の唇をペロリと舐めた後リョーマが言った。
「やっぱ甘い。」
やっと、現実に追い付いたわたしは一言言うのが精一杯。
「……苦いよ。」
するとリョーマが目を細めて言う。
「……知紗。
言い忘れてたけど、
……俺チョコ食ったら
酔うんだよ。」
「は?酔う?」
「今、お前を喰いたくてしょーがない。
責任、とれな?」
熱い瞳でわたしを見つめ、
そして、再び熱い唇がわたしの唇を奪う。
それは、まるで味わうように。
息をするのを忘れてしまうようなキスに、全身が甘く痺れる。
甘く優しいキスで、身体が蕩けそうになる。
「…リョー…マ、待って。」
「待てない。」
今、
気持ちを伝えなきゃ。
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