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「おお、パジャマ陸だー!」
「うっ、うるせえよ!いいだろ別に!」
「うん、萌えた。…こっちおいで」
素直な俺は、本当に寝る直前の姿で遥斗の部屋を訪れてしまった。促されてベッドに座ると、後ろから抱き締められた。
「…陸……」
「……どこだよ行きたいとこって!まさかまた無いとか言い出すんじゃねえよな?」
「ああ、まあ、雑誌は無いかな」
「…てめえなあ」
「いやいやごめんって!行きたい場所はちゃんとあるから安心しろよ。陸、歴史好き?」
遥斗は微笑み、俺に問いかけた。
「歴史か?好きだぜ」
「やっぱり。近くに遺跡があるから、一緒に行きたいなって思って」
「おお、もしかして弥生時代の遺跡のことか?」
「あれ、知ってた?」
「知ってる!前から密かに行きたかったんだよそこ!」
「そっか、じゃあ決まりな」
「おう!遺跡って魅力的だよな。こんだけ時が経っても大昔の人がまるでそこにいるみたいで…大好きだ」
「……なんだよ、俺には好きって言ってくれないのに。陸、俺のこと嫌いなの?」
遥斗は、さらに強く俺を抱き締める。胸が、痛み出す。
「……嫌いだ」
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