11人が本棚に入れています
本棚に追加
「はる、と……っ」
「陸…俺が何ともないとでも思ってたの?俺だって胸が潰れそうだよ。いつもドキドキしてるよ。お前だけじゃねえよ」
「そう、か……じゃあ尚更だな」
「え?何がだよ」
「…こんなんは心臓に悪い!寿命が半分くらいになっちまう。そしてこんな気持ちになるのは1年に1回しか会えないからだ。だから…お前、高校出たら東京来いよ。そしたら毎日でも会えるだろ。寿命も延びて、長生きできる!」
「……長生き、か」
遥斗は、どこか遠くを見つめているようだった。
「…そうだな。そうしようかな。毎日会えるなんて夢みてえだ……」
「だろ?てか遥斗もこっちに遊びに来いよ。もう高2なんだし来れるだろ。お前が来てくれたことねえじゃん」
「行きてえよ、陸の家!…でも部活で休みがねえんだよなあ…唯一休みの今は陸が来てくれるし……」
小学生の時からバスケをしている遥斗は、毎日練習に明け暮れていた。だから、遥斗が東京に来たことは、まだ一度もない。
「…そうか。じゃあやっぱ、2年後だな。いつでも来いよ、案内するぜ」
「うん……ごめん、ありがとな」
「うん。じゃあ俺、寝るわ」
俺は立ち上がると、自分の布団が敷かれている1階に向かって歩き始めた。
「行くなっっ……!!」
最初のコメントを投稿しよう!