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その瞬間、遥斗に腕を掴まれ、俺はベッドの上になぎ倒された。すぐさま上に乗られ、手首を押さえ付けられる。
「…遥斗」
「帰さねえよ……帰してたまるかよ……やっと今…こんなに…こんなに近くにいるのに……!」
「でも俺の布団は下にある」
「んなもん一晩帰らなくたって誰も怪しみなんかしねえよ…だって俺達は『チョー仲が良いイトコ』なんだから。そうだろ?」
遥斗はそう言うと、ニヤリと微笑んだ。
「この、ヘンタイ野郎っ…」
「…そりゃあ、健全な17歳ですから?」
…お前には、敵わない。
別に、試した訳じゃねえよ。…別に、引き止められて嬉しいとか思ってねえよ。そんな言葉が脳内をぐるぐると回る中、近付いてくる遥斗の顔に俺は目を閉じた。
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