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家の最寄り駅から30分程電車で移動し、そこから更に30分程歩いたところにその遺跡はあった。沢山の銅鐸や銅剣などがあるこの遺跡は、歴史マニアな俺には堪らない場所だった。
「おお、銅剣だ!やっぱすげー…昔はこれで戦ったりしてたのかなあ、かっけーなー!」
「…前世で戦ったかもな、俺等」
「じゃあ絶対俺が勝ってるな。絶対くに統一してんな俺」
「え、それは有り得ねえだろーな」
「は?今何つった」
子供のようにはしゃぐ俺を、遥斗は呆れずに見守っていてくれた。
遺跡、博物館と周って最後に公園にある竪穴住居を見終わると、俺の童心帰り度はMAXに達していた。一面に広がる芝生を見たら、いてもたってもいられなくなった。
「…なあ遥斗!鬼ごっこしようぜ!」
「はあ?こんなに暑いのに?」
「いいだろ別に!じゃあ最初はお前が鬼な。俺はぜってえ捕まらねえ!!」
「ちょっ、おい…!勝手に走り出してんじゃねえよ!」
「捕まえてみろよ、出来るもんならな!!」
「…んだと……?バスケ部ナメてんじゃねえよこの帰宅部があああ!!」
「帰宅部じゃねえよこれでも生徒会入ってるっつーのおおお!!」
「おいそれ初耳だあああ!!!」
ちょっと挑発すると遥斗は案の定俺を追いかけてきた。ちょろいな、と思いながらもかなり速い遥斗に追いつかれないよう俺は全速力で走った。
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