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いつから、こんな関係になったのだろう。
そいつーーー遥斗は、母さんの妹の息子で、俺の正真正銘のいとこだ。歳も一緒で、同じ年に孫が二人も増えて大変だったけど嬉しかったよ、とばあちゃんに毎年のように聞かされる。遥斗一家はずっとこの家に住んでいたので、毎年里帰りの度に会っては遊びまくっていた。
そう、俺達はちゃんと『いとこ』だったのだ。この関係が崩れたのはーーー…きっと、あの時だ。
5歳の夏、幼稚園の年長だった俺は里帰りこそしたもののとても機嫌が悪かった。
「ねえ…どうしたの、陸。なんで怒ってるの」
「うるせえよ!遥斗にはカンケーねえよ」
「…イヤなことでもあった?」
そう言われ、遥斗と目があった瞬間俺のプライドは崩れ落ちた。
「うっ………うわああああん!!」
「り、陸!?」
「…きだったのに……っ、好きだったのに……!なんで…りかちゃん……」
「…陸……」
「へへ、ばかみたいだろ………ケッコンしようねって言ったのに…」
そっと、何かが俺の頬に触れた。これは…遥斗の唇……?
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