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昨晩もらった菓子を手に、ぼんやりそんなことを考える。
花は、そろそろ届くだろうか。
そう思って顔を上げた時、美緒が目を覚ましたらしいことに気がついた。
熟睡しているようだったのに、なんだってこのタイミングで目を覚ますんだ。
狼狽して身辺を見回し、とりあえず、手にしていた菓子を隠した。
声さえかけなければ、また寝直すかもしれない。
そう思ったが…目が合った。
…腹をくくるしかない。
「起きた?…おはよう」
できる限り平静を装って、声をかけた。
まだ眠そうに瞬きながら、美緒は微笑む。
その表情が、普段にも増してやけに可愛く見えた。
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