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動揺が収まらない。
なんだってオレは、部屋に届けてくれなんて言ったんだ。
美緒は目をこすりながら起き上がり、伸びをする。
部屋のインターフォンが鳴った。
心臓を鷲づかみされたような気分、と言ったら大げさか。
インターフォンには美緒も驚いたようで、オレの様子には気づかれずにすんだ。
ルームサービスだということにして、立ち上がる。
動揺して足元が覚束ない。
直接渡すしかないが、どんな顔をして渡したらいいんだ。
要求されたわけじゃない、期待もされていない。
ただオレが勝手に用意しただけのもの…
空回りするだけ…かも、しれないじゃないか。
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