─誤算─ Act48(後半).

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ドアにたどり着くまでの数十秒の間に、様々なことが頭をよぎった。 花なんて、と失望されたら。 生花なんてその場限りで、飯のように時間をともにするわけでもない。 いや、だが、美緒はそんな態度を取るような子じゃない… でも、もっと何か気の利いた選択肢があったんじゃないか。 土壇場まで潔くはいかない自分に、焦燥が募った。 気のせいか汗ばんだ手でドアを開ける。 ホテルマンは深々と頭を下げ、送り主の名を口にした。 かろうじて礼は言ったものの、まともに応対できた気がしない。
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