─誤算─ Act48(後半).

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「保水してあるから、そのままで二、三日はもつらしいよ」 アレンジがどうの、とも言っていたな。 だが活けたって、そう長持ちはしないだろう。 「すごくキレイな色… こんな色のバラがあるなんて、あたし、知らなかった」 美緒に言われて初めて、花の色に気がついた。 品のある薄紫のバラの花束。 いくらなんでも動揺しすぎだ。 手にしたものをろくに見てもいなかったなんて。 こういった色のバラは確か、青いバラを開発する中で作られてきたんだったか。 大手メーカーが発表した際のニュースで見た記憶がある。
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