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「そうなんだ…
じゃ、お店では売ってないの?」
「うん。
多分売ってないと思う」
美緒からは返事がない。
嬉しいとは言ってくれたが、やはり、外しただろうか。
そうだとしても、今さら仕方がない…な。
他にしてやれることがあるわけでもない。
寂しいような、だが諦めるしかないような、複雑な気分だ。
ため息を殺して顔を上げ、そして、ぎょっとした。
無言のまま、美緒が泣いていた。
なんで…
いや、ちょっと待て。
なんで泣くんだ。
予想外の反応に、どうしていいのか分からなくなる。
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