第1章・松本拓也視点

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あの女はイライラした表情で10セット頼んだ美和ちゃんを睨み、隣の20代後半~30代前半くらいの女性社員に注意されていたわ。 美和は睨みに耐えきれずに後ろに下がった。 あたしは美和の隣に並び、研修生のあの女を睨みかえす。 セットが10って秘策を美和は知らない! アシスタント・マンションの住人・大家さん…つまり美和ちゃんの両親。 昨夜から電話したり直接メモを渡したり。 美和は知らない事だから、あたしが説明するまでね。 チラリと8人並んだ方向を確認し10セットの行方を示してやったわ。 ぐうの音も出ずに悔しそうな研修生あの女が睨みかえすけど、ビビらないわよ!あたしはね! 睨み返すあたしもどうかと思うけど…隣で震えてる美和を見るとつい、ね。 闘争本能がわいちゃって! 女性社員はあたしと美和に平謝りをし、研修生を睨み、後ろに注文を流していた。女性社員に同情するわ! あたしならこんなバイトは雇わない! 食品を扱う店でアクセなんかつけるんじゃないわよ。さっきから見てると反抗的な目でお客をビビらせて、おまけにレジはもたついて。 あれじゃバイトも長くはないわ! 睨んじゃダメでしょう!?特に美和みたいに言えないおとなしいお客には。 働くって事なめんじゃないわ! 待ってると他の社員と女性社員が10セットを持ってきて頭を下げた。 『突然10セット頼んでごめんなさいね』 それは女性社員・後ろで忙しくセットを作ってくれたクルーの皆さんへ心からの謝罪。 泣いた後のベーコンレタスバーガーの味はどう? あの女がいてもマクドに行く気になった? 『かっこよかった』と笑う美和、あなたにはもっと強くなってほしいわね。 けどやり手かしら?あたしって!? 浮かない顔の美和はたぶん家に帰っても浮かない顔のままかしら。 本屋に連れてくとインテリアのコーナーを見てるじゃない(笑)。 女子高生なんだからファッション誌や漫画かと思ったら…(笑) さっきまで浮かない顔してたのに目をきらめかせ表情が変わったわ。 もしかしたら?秘めた力があるのかもしれないわね。まだはっきりとは言えないけど。 ↑ 【松本拓也の頭の良さと守る姿勢に美和の松本嫌いはこの出来事で消えていきます。 松本も掴んだ手くびと同じように、ここから美和を妹のように思うのでしょうね!\(^o^)/ お気に入りシーンです】
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