第1章・松本拓也視点

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うどんの会の後、約束した食事の日あたしはゆっくり起きてコーヒーを楽しむ。時間は10時…歯を磨き顔を洗って数ある中から服を選んでく。 そういえばこうやってプライベートで出かけるって、成瀬や外国にいる親友以来? いつも仕事仕事で休みにも仕事の延長みたいな付き合いだったもの。 彼女?テンション下がる事思い出させないで! あたしからじゃなくいつも相手の女から【付き合って】ってひつこいから仕方なく…。 今?もちろんフリーよ。 だけどあれ以来彼女なんてうんざりっ。 付き合う・付き合わない…って押しつけるものじゃないと思うの。 女なんて!彼女なんて! 今は…いらない。 あっと、つまんない事を振り返ってたら10分経っていたわっ。 グレーのTシャツに上下揃いの黒のジャケットにパンツ、そして右手首にブレスを付け鏡を見る。 肩までの髪を後ろで留めると頬のラインが姉貴に似てた。 『クライアントによく間違われるけど髪を切る気にはならないわ。 あたしはあたし、姉貴は姉貴』 時間は約束の10分前、車の消臭剤も昨日変えたしオッケーね。 あの日…美和ちゃんは飼い猫を抱いて約束に頷いて仕事に出かけるあたしを見ていた。 リボンさえ付けてくれないあの娘、デートじゃないんだから怖じけづいて『行かない』って言わなきゃ良いけど。 あの娘は家の前で待っていてくれた。 みつ編みにあの青いリボン・青いワンピースに黒い靴…控えめで清楚。 初対面からずっと制服と地味だと指摘したロンTやジーンズしか知らないけど、やっぱりきれいな足をしているわ。 なんだかこの娘をスタイリングしたくなってるあたしって、仕事熱心かしら? 緊張しまくりの様子で後部座席に乗ろうとしてる? 『前、前』 恥ずかしそうに、さらに緊張しちゃってる? 今どき珍しいくらいピュアなんだから笑っちゃうくらいよ。 2つ分けにして結んで顔のラインがあやふやになってる事に気が付いてる? みつ編みにしたら顔のライン、首のラインが際立つ事に気が付いてる? あなたはもっと自信を持たなきゃ! あたしの母性本能? ううん、妹みたいな感情? なんとかしてあげたい気持ち? 甥っ子の隆司がよく言ってる【拓也叔父さんはめんどうみが良い】って、 隆司の言う事に嘘はない? 緊張しちゃってる美和ちゃんをどうにかしてやりたいと思うのよ。
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