第1章・松本拓也視点

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『デートじゃないんだから緊張しないで』 『…でもやっぱり緊張します』 堅いわね、気持ちが。 ご飯食べに行くだけなのにね。 比べる事がどうかしてるけど、今までの女は色気が全面に出過ぎちゃって引いちゃう時あったわ。 美和ちゃんはもう髪の毛を触ろうものならカチンと固まるようで…息も止めてるんじゃないかしら?(苦笑) 夕食までに時間もあるし服を見て…彼女の体に服を当てて頷いたり。 いけないっ仕事モードに入りそう(笑) この娘には流行とかイケイケな服よりもピュアさを前に出すような、彼女らしいふんわりしたイメージが合うのかもしれない。 あぁ、また仕事モードに入ってるっ! いつだって仕事熱心だって誉めてくれる?(笑) 食べないのかしら? あたしもう1/3食べちゃってるけど。 食べる時も緊張…するの? 食後コーヒー・パフェを楽しんでた時、近くに座った女同士の会話で楽しかった食事は台無しにされた。 マクドで応戦した日に見たあの人達の事を言ってる?美和ちゃんはマクドでの一件を思い出したみたいで、うつ向いてパフェのスプーンが止まった。 『美味しかった食事も台無しの気分よ』 車の中で言うと彼女も頷いてた。 本当にね…台無しにしてくれちゃって! 資料がてら買いたいモノあるから本屋に寄ったわ。 『好きな本を見てなさい』 欲しい本をかかえ歩いてると美和ちゃん女子高生は買わない部類の場所で、雑誌を眺めてた。 初対面で地味だと指摘してはいても、ティーンズ物のファッション誌を見てるのかと思っていたのに。 ミドリクラブ? みかんページ? あぁ!(笑)
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